前回のお話で生成した PDF ファイルにはパスワードの設定の他にも
<encryptallowprint>off</encryptallowprint>
という設定によって、印刷の禁止が設定されています。
では、実際に印刷しようとするとどうなるかを見てみましょう。前回の "BAYTOPPW.pdf" を Acrobat Reader 使って開こうとすると、パスワードを要求されますので、所有者パスワードか使用者パスワードを入力します。表示された画面は次の通りです。
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BAYTOPPW.pdf を Acrobat Reader で開いた画面 |
画面左上のファイル名が、BAYTOPPW.pdf(保護) となっているのが、お分かりいただけると思います。XPSConfig.conf ファイルの中の次の設定が効いているわけです。
<encryptmode>on</encryptmode>
次に印刷するために、メニューの中のファイルを選択すると、次のように "印刷" メニューが無効になっていることがお分かりになると思います。
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印刷メニューが無効になっている |
このようにして、PDF ファイルを受信してパスワードを使って開いたユーザーも、表示はできますが、印刷して配布したりコピーを取ったりすることができないというセキュリティー管理ができるわけです。
通常はそこまでの細かな管理は行わないと思いますが、パスワードと同様に、スプール・データの中の表示に使用しない場所に、"on" とか "off" を入れておいて、それを例えば、"ALWPRINT" いう別の名前のアーカイブ・ゾーンとして帳票設計しておけば、次のような XPSConfig.cnf ファイルの指定によって、スプール・データ内の指定に応じて、印刷を許可するかどうかを自動的に決められます。
<encryptallowprint>[[ALWPRINT]]</encryptallowprint>
次に、印刷の他に、この XPSConfig.conf の中では、次の設定を "on" としています。
<encryptallowdataextraction>on</encryptallowdataextraction>
生成された "BAYTOPPW.pdf" のファイルのプロパティを見ると、次のように "内容のコピー" と "アクセシビリティのための内容の抽出" が "許可" に変わりました。
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dataextraction=on によるセキュリティの許可 |
この時の "詳細" は次のようになっています。
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セキュリティの詳細 |
ここで、XPSConfig.conf の中で
<encryptallowdataextraction>off</encryptallowdataextraction>
に戻して、
<encryptallowaccessibility>on</encryptallowaccessibility>
とします。その場合は、"アクセシビリティのための内容の抽出" のみが "許可" となります。
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encryptallowaccessibility=on によるセキュリティの許可 |
なお、この設定は読み上げソフトを使用可能とする設定です。詳細画面は次のようになっています。
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セキュリティの詳細画面 |
次に、XPSConfig.conf ファイルの中の次の設定を "on" に変更して、PDF ファイルを生成します。
<encryptallowmodify>on</encryptallowmodify>
PDF ファイルのプロパティを開くと、次の 3 項目が "許可" に変わっていることが分かります。
- フォームフィールドの入力
- 署名
- テンプレートページの作成
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encryptallowmodify=on によるセキュリティの許可 |
この時のセキュリティの詳細画面では、次の 2 項目が許可に変わっています。
- 文書の変更
- 文書アセンブリ
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セキュリティの詳細画面 |
更に、次の設定を、"on" に変更して、PDF ファイルを生成します。
<encryptallowcomment>on</encryptallowcomment>
その結果、"注釈" が許可されました。
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encryptallowcomment=on によるセキュリティの許可 |
この時の詳細画面も同じ内容です。
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セキュリティの詳細画面 |